2019 年4 月30 日

春は強風に注意

4月上旬は寒気の戻り

岐阜市のさくらは、平年より早く3月22日開花、4月2日満開になりました。開花から満開までに平年より長い11日かかり、過去10年間で最も期間を要しました。

*気象庁資料より作成

その原因は、開花後と3月下旬から4月上旬の気温が平年を下回ったためです。さらに、満開後の4月中旬にも気温が大きく平年を下回りました。

特に4月2日と10日の最高気温は2月下旬並みの約11℃になり、満開から10日以上経過した13、14日の土日もまだ多くの花が残っており、今年は長い期間にわたりさくらを楽しめました。 

*気象庁資料より作成

4月10日は、日本の南岸を低気圧が通過したため南から暖かい空気が流入し、岐阜の気温は真夜中の1時に観測した11℃がこの日の最高気温になりました。

しかし、低気圧通過後冬型になり寒気が流入し、日中の14時の気温は1月下旬並みの8.4℃を観測しました。

なお、この寒気の流入により、郡上市長滝では4月としては3位にあたる9㎝の積雪を記録しました。

4月10日3時

4月10日21時

地上天気図
気象庁Webサイトより

春は強風に注意

風の季節といえば台風や季節風(北風)から秋や冬をイメージします。

月別の風の状況を調べてみると、月平均風速では1位が3月、4月の2.9m/s、3位が2月、5月の2.7m./s、風速10m/s以上の強風を観測した平均日数は、3月が1.8日、4月が1.7日、5月が1.0日、そのほかの月は1日未満と、春が最も強風の日が多く観測されています。なお、今年は3月が4日、4月が2日の計6日観測しています。

春に強風の日が多い理由は、春になると冬の北の寒気が後退し、南から暖気が入るようになります。このため、日本付近では南北の気温差が大きくなり、低気圧が発達し南からの強風が吹きやすくなります。

春の強風を表す言葉に、南寄りの強い風が吹く「春一番」、春の嵐の「メイストーム」がありますが、こうした現象を起こす原因に、「二つ玉低気圧」「南岸低気圧」「日本海低気圧」という気象用語があります。天気予報で、こうした言葉を聞いた際には強風、荒天に注意が必要です。

岐阜の4月の最大瞬間風速1位は2012年4月3日の28.4m/sです。この時は、日本海と九州の南に低気圧があり、二つの低気圧(二つ玉低気圧)が発達しながら日本付近を通過し、北海道付近で一つになりました。また、2005年4月26日には南岸低気圧により21.7m/sを観測しました。

いずれも、日本各地は大荒れの天気になりました。 

二つ玉低気圧

南岸低気圧

地上天気図
気象庁Webサイトより

今月の写真

岐阜市の長良川では5月11日から鵜飼いが始まりますが、4月13日には鵜飼い遊覧船の運航準備が行われていました。

新聞のさくらの開花状況では、4月13日の岐阜長良川河畔のさくらは「散り始め」でしたが、対岸から見るさくらは、金華山の緑、長良川の青にはさまれ、ピンクの花がとてもきれいでした。

さくらと鵜飼い遊覧船
(岐阜市の長良川にて4月13日撮影)

一口コラム

さくらの満開とは

さくらの標本木のつぼみのうち、80%以上が開いた状況の時に、気象台が満開を発表しています。

なお、開花とは標本木で5~6輪の花が開いたときです。

岐阜地方気象台の標本木は、岐阜市加納の清水川河畔にあります。

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