2018 年12 月24 日

2018年 気温は過去最高

師走も気温は高め

日本列島は、12月に入っても今年の天候を象徴するように、気温が平年を上回っています。4日の最高気温は、926地点の観測所のうち352地点で12月の最高気温を更新しました。

しかし、8日以降気温は平年を下回り、9日の最高気温は2℃~6℃以上も低くなり、遅れていた初雪の便りが北国から届きました。

岐阜でも平年を上回っていましたが、8日以降は一気に真冬の気温になり、5日と9日の気温差は12℃近くにもなりました。高山では最低気温が8日から氷点下になり、11日には平年を2.5℃下回る-3.9℃を観測、15日には今冬初めて1㎝の積雪を観測しました。 

*気象庁資料より作成

9日には雪をかぶった伊吹山が岐阜市内からも見られました。伊吹山の初冠雪は彦根地方気象台で観測しており、今年は11月23日に観測されていました。

なお、岐阜の初雪の平年値は12月14日ですが、20日時点ではまだ観測されていません。

雪をいただく伊吹山(12月9日 瑞穂市内より)

今年の天候を振り返って

今年の漢字は「災」、日本気象協会による予報士が選んだ漢字も「災」でした。さらには新語・流行語大賞のトップテンに「災害級の暑さ」が入り、今年は大きな災害が発生しました。

その代表的なものに、①200人以上の死者を出した7月豪雨、②全国で40℃以上の気温を頻発した7月中旬以降の猛暑、③全国的に暴風や高潮の被害を出した台風21号、台風24号があげられ、各地で記録的な天候になりました。

県内のアメダス32地点のうち27地点で過去1位を記録、雨量で15地点、気温で11地点、風速で15地点と延べ41地点での更新となり、異常気象ともいえる天候となりました。

岐阜では、猛暑日日数は35日、熱帯夜日数も49日となり過去1位を更新、8月16日の最低気温28.6℃は過去2番目に高い気温になりました。高山でも、7月4日の時間雨量62.0㎜、猛暑日日数21日は共に過去1位を記録、7月20日の最低気温24.2℃は過去2番目に高い気温、さらには7月19日の最高気温37.1℃と9月4日の台風21号通過に伴う最大瞬間風速33.3m/sは、共に過去3番目の記録になりました。

また、今年の岐阜の月別気温は1月、2月、9月は平年より低かったものの、それ以外の月は高くなり、年平均気温は12月20日時点で平年より1.9℃高い17.7℃になり、今年は過去最高になりそうです。

IPCCによると、地球温暖化により強い雨の増加、暑い夏の出現、強い台風の増加などが予想されていましたが、まさに今年の天候は予想通り異常気象といえるほどの天候になりました。

(注)12月の気温は20日までの気温
*気象庁資料より作成

今月の写真

岐阜県は富有柿の発祥の地です。12月上旬を過ぎると富有柿の収穫も終わり、木の先に数個の柿の実が残っている木が見られます。これは、「木守り柿」といい、翌年の豊作を祈念、鳥の餌など自然への感謝の意味が込められています。

木守り柿(12月11日撮影 本巣市内にて)

一口コラム

岐阜の年平均気温の長期的な変化

岐阜の気温は、1883年の観測以来上昇し続け、100年間に換算すると1.7℃の割合で気温が上昇しています。

過去の最高気温は、1998年、2004年、2016年の16.9℃、今年は12月20日現在で17.7℃(平年値15.8℃)で過去最高です。なお、2000年以降で平年値を下回ったのは2012年のみで、温暖化が進行していることがわかります。

*岐阜地方気象台Webより

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