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大雪の原因はJPCZ


山陰から近畿北部で記録的な大雪-原因はJPCZ

  2月9日から12日にかけて冬型の気圧配置が強まり、西日本を中心に上空約5,000mに氷点下39℃以下の寒気が流れ込んだため、西日本の広い範囲で雪が降りました。特に山陰や近畿北部を中心に活発な雪雲が次々に流れ込み記録的な大雪になりました。

  この期間の最深積雪は、鳥取県鳥取市で観測史上5位の91㎝、兵庫県豊岡市で80㎝、京都府舞鶴市で観測史上9位の54㎝を記録しました。

  この大雪により、死者5名、負傷者40名をはじめ列車の運休、道路の通行規制など大きな被害が発生しました。

  本コラム『021の日本海側の仕組み「12月でも大雪になった理由」』のとおり、冬型の気圧配置が強まると、気象衛星画像ですじ状に並行している高さ2~3kmほどの雪雲(積乱雲)が発生します。

  寒気が非常に強い場合には、シベリア大陸からの北西に季節風が、北朝鮮と中国との国境(朝鮮半島北部)にある標高2,500mを超す長白山脈により分流され、日本海西部で再び合流して収束帯を作ります。その収束帯上に小さな渦が次々と発生し、雪雲が発達して大雪をもたらすことがあります。この収束帯を日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)といいます。

  2月10日の気象衛星画像を見ると、赤枠で囲まれた朝鮮半島の東から山陰地方にかけてJPCZが見られ、これが山陰から北陸地方にかけてのび、大雪をもたらしました。また、県内でも西風により、白川村で198㎝、関ケ原町でも46㎝の積雪を観測しました。


気象衛星可視画像(2月10日15時)
気象庁Webサイトより


地上付近の風の流れ(2月10日15時)
earth :: 地球の風、天気、海の状況地図より



西よりの風に乗り関ケ原方面より流れ込む雪雲
(羽島市内より西を望む 撮影:2月10日)


東海地方で春一番が吹く

  まだ冬の寒さが残る中で、最初の春の便りに春一番があります。
 2月17日に関東、四国、九州地方で、また20日には東海、近畿地方で「春一番が吹いた」との発表がありました。

  春一番の基準は、①立春から春分までの間に、②日本海に低気圧があり、③最大風速が8m/s以上の南風が吹き、気温が上昇した場合です。東海地方では名古屋、岐阜、津、静岡のいずれかの気象台で基準に達した時に発表されます。

 天気図を見ると、日本の南東に高気圧、日本海中部に低気圧があり、本州付近では等圧線が込み合い、南から暖かく強い風が吹き込みました。岐阜では基準を超える風が吹きませんでしたが、静岡で南の風8.9m/sの風速と気温17.3℃を観測したため、東海地方で「春一番が吹いた」と発表されました。

  春一番が吹いた翌日は、西高東低の気圧配置になり北風が吹き冬に逆戻りします。北海道や東北地方では根雪が残り冬真最中のため、春の季節が感じられないため発表されません。また、沖縄では日本海にある低気圧に吹きこむ南風は強くならないことから発表されません。

  なお、春一番は、毎年必ず発表されるものではなく、東海地方では1990年以降昨年までの27年間で11回発表されました。岐阜は強い風が吹きにくく、基準を越したのは2回だけでした。



地上天気図 2月20日9時
気象庁Webサイトより

  うめの花が咲き始め、3月3日は五節句の一つの桃の節句、各地で「ひな祭り」が行われます。また、3月下旬には岐阜の日最高気温の平年値は15℃を超え、花がいっせいに咲き始め、季節は一気に春になります。あと少しで待ちに待った春本番です。



墨俣塾脇本陣に飾られたお雛さま
(2016年3月 撮影)


【一口コラム】
上空の気温の測定方法は?(高層気象観測の方法)

  高層気象観測にはラジオゾンデが使用されます。ラジオゾンデには、気圧、気温、湿度等の気象要素を測定するセンサが搭載され、ゴム気球に吊るして飛ばし高度約30kmまでの大気の状態(気圧、気温、湿度、風向・風速等)を約350m/分の速度で上昇しながら観測しています。

  観測は日本時間の9時、21時の2回、世界各地で同時に行われ、国内では輪島をはじめ16箇所で観測されています。観測されたデータは、天気予報、気候変動の監視、航空機の運航管理などに利用されています。