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5月の天気は3パターン


5月の天気は3パターン

  5月といえば、青空を鯉のぼりが泳ぎ、新緑のすがすがしい季節で、晴れの日が多いイメージがあります。しかし、岐阜の月別の天気の出現率を調べてみると、5月の晴天率は9位にあたる46.3%、最も高い月は11月で62.7%です。また、雨天率(1mm以上の雨が降った日数の率)は4位の35.4%と、三日に一度は雨が降ることになります。

 5月は晩春から初夏への移行期にあたり、次の三つのタイプの天気が現れます。

  1. 春の時期のように、移動性高気圧と低気圧が日本付近を素早く通過し、1日半から3日ほどの周期で晴れと雨の天気が交互に現れるパターン。
  2. 日本付近を高気圧が連続して通過し、東西に細長くのびる高圧帯におおわれ、低気圧の通過が4日から7日ほどの周期になり、初夏の晴天が比較的続くパターン。
  3. 移動性高気圧や高圧帯が日本の北を通過し、南岸沿いに前線が停滞して「走り梅雨」を思わせる曇雨天になるパターン。

 今年の5月も、下の天気図に示すように3パターンの天気になりました。



タイプ①
5月3日夜~4日朝にかけて前線が通過し、岐阜で35mmの降水量を観測。通過後は晴れて気温が上昇し、最高気温が25.9℃になりました。

5月3日21時の天気図

タイプ②
5月18日~24日にかけて日本付近は高気圧におおわれ、岐阜では4日連続の真夏日になり、23日の最高気温は8月上旬並みの33.3℃になりました。

5月21日9時の天気図

タイプ③
5月9日~11日にかけて日本の南岸に前線が停滞し、前線上を低気圧が通過したため、岐阜では3日間に50mmの降水量を観測し、日照時間は0.2hrとほとんどありませんでした。

5月9日15時の天気図

  停滞前線の北側にはすがすがしい晴天が、南側には蒸し暑い空気におおわれた晴天が、そして前線付近では雨模様の天気になります。5月21日の天気図では、沖縄付近に前線が停滞(梅雨前線)しており、沖縄地方は5月16日に平年より7日遅く梅雨入りしました。

  こうした天気を繰り返して、本州もやがて梅雨入りします(岐阜の平年は6月8日)。このすがすがしい天気もあとわずかです。


今年の夏は暑い?

  気象庁が5月12日に出したエルニーニョ監視速報では、「今まで続いていたエルニーニョ現象は弱まりつつあり、春の間に終息するとみられ、夏にはラニーニャ現象が発生する可能性が高い」との発表がありました。

2016年5月~11月 監視地域の海面水温予測

気象庁Webサイトより

  本コラム30号の一口コラムで紹介したように、ラニーニャ現象とは「太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沖にかけての海域で、海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象」です。
  ラニーニャ現象が発生すると、日本の夏は西日本の太平洋側を除き、日照時間がやや多く、降水量は沖縄地方で多くなり、暑い夏になる傾向があります。

  5月25日に出された東海地方の8月までの3か月予報では、気温は6月と8月が平年並みか高く、降水量は6月、7月とも平年並みか多いと予想されています。やはり、今年は暑い夏になりそうです。



ツバメによる天気予報?

  気象庁では、季節の遅れや気候の違いなどの気象状況の推移を把握するために、いろいろな生物の観測(生物季節観測)をしていますが、その一つにつばめ(越冬ではない)を「はじめてみた日(初見日)」を観測しています。

  今年の岐阜での初見日は3月28日でしたが、先日家の近く(岐阜市内)でつばめが巣作りをしているのを見つけました。



巣作り中のつばめ
つばめのつがい
右がオス、左がメス(?)

 撮影日
5月18日
 

  お天気に関することわざに「つばめが低く飛ぶと雨、高く飛ぶと晴れ」というものがあります。
  高気圧におおわれると、晴れて日差しが強く気温が上がるため、地上付近では上昇気流が発生します。このため、小さな昆虫はこの上昇気流に乗り、高いところまで上がります。一方、低気圧が近づくと天気が悪くなり、風が強くなります。風は上空より地上付近の方が弱いため、小さな昆虫は上空まで上がれず、地上付近にとどまります。

  以上のことから、このことわざは理にかなっており、間違いないようです。
  皆さんもつばめの動きを見て、天気予報に役立ててみてはいかがでしょうか?


【一口コラム】
月別の晴天率とは
  岐阜地方気象台では、1981~2010年の30年間の岐阜の日別の天気出現率(晴れ、曇り、雨など)を出しており、これをもとに月別の晴れの天気の出現率をあらわしたものです。
   天気予報に用いられる場合の、快晴は雲量1以下、晴れは2~8、曇りは9以上ですが、天気出現率で用いる基準は次のとおりです。

① 晴れとは、1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5未満のとき
② 曇りとは、1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5以上のとき
③ 雨とは、1日の降水量が1.0ミリ以上のとき

  なお、雲量とは観測地点の空全体に占める雲の割合のことです。