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4月の日較差は年最大


4月の日較差は年最大

  一日の気温は、一般的には日の出前が最も低く、13時から14時頃が最も高くなります。

  しかし、4月11日の岐阜の気温は、下のグラフのように真夜中の3時頃にこの日の最高気温の15.2℃を記録し、最低気温は日付が変わる直前の24時に7.1℃を記録しました。




 11日3時の天気図では、関東の東に低気圧があり、東海地方はこの低気圧による暖気が残っていたため、11日未明も気温が上昇しました。
  その後、21時の天気図に見られるように、シベリア大陸から冷気を伴った高気圧が南下し、日中は晴れにもかかわらず、気温があまり上昇しませんでした。この時期には、こうした気温変化が見られることがあります。




4月11日3時
4月11日21時

  春分の日以降は、冬の名残の冷たい空気と春の強い日差しによる気温上昇により一日の気温変化が大きくなります。下の図は、岐阜、高山の1981年~2010年の30年間の平均日較差(最高気温と最低気温の差)を表したものです。




  日較差が最も大きい月は、岐阜では春の4月、次いで秋の11月です。
しかし高山では、春の4月、5月の順で、秋は夏より小さくなっています。これは、高山では11月にはいると冬型の気圧配置の日が現れ、曇りの日が多くなり最低気温があまり下がらないためです。
 また、岐阜に比べ高山の方が大きくなるのは、最高気温はあまり変わりませんが、山間部のために最低気温が低くなるためです。
 
 では、なぜ冬や夏は日較差が小さいのでしょうか?
 冬は冷たいシベリア大陸に中心を持つ高気圧(シベリア気団)におおわれ、昼夜とも気温が低く抑えられます。逆に夏は、暑い太平洋に中心を持つ高気圧(小笠原気団)におおわれ、夜になっても気温が下がらないためです。



日本周辺の気団

  4月16日には、高山で最高気温22.9℃、最低気温0.2℃を観測し、気温差は22.7℃にもなりました。
  この時期は、気温差により体調を崩さないよう十分注意が必要です。


熊本地震に伴い暫定基準で気象警報を運用

  4月14日9時26分に、熊本県内でM6.5 最大震度7、16日1時25分にはM7.3 最大震度7を観測しました。その後も熊本県、大分県を中心に活発な地震活動が続いており20日時点で48名の方がなくなられました。

 相次ぐ震度5強を超す地震により、熊本県、大分県他では地盤が緩み、降雨による土砂災害の危険性が通常より高まっています。このため、気象庁では震度5強以上を観測した市町村については当分の間、大雨警報や大雨注意報発表の際の基準となる、土壌に含まれる水分量を表した「土壌雨量指数」を暫定的に通常の7割または8割にし、今までより少ない雨量で警報や注意報を発表することになり、4月21日には発達する低気圧により大雨が予想されたため、熊本県、大分県に大雨警報が出されました。 

 こうした事例は過去にもあり、2011年3月11日の東日本大震災により、岩手県、宮城県などでは、現在も暫定基準で運用されています。



青空で泳いでいるはずが?

  鯉のぼりといえば、青空のもとで風に吹かれて気持ちよさそうに泳ぐものだと思っていましたが、先日、商店街のアーケードの下を規則正しく並んだ鯉のぼりを発見しました。


4月18日撮影(岐阜市柳ヶ瀬)

 岐阜市で3月20日に開花した桜は、すでに飛騨地方でもピークを過ぎ、山々は鮮やかな新緑に包まれ始めています。日本付近は、今までの冷たいシベリア高気圧から、暖かく乾燥した揚子江気団におおわれ、風薫るすがすがしい季節になりました。

  ゴールデンウィークもまもなくです。行楽に最適なシーズンがやってきました。 


【一口コラム】
気団とは
気団とは、広い範囲にわたり気温や湿度が一様な空気の塊のことで、日本付近には「日本付近の気団」に示す4つの気団があります。
  1. シベリア気団(シベリア高気圧)
    冬に発達し、冷たく乾燥しており、冬の北西の季節風はここから流れ出たものです。
  2. オホーツク気団(オホーツク海高気圧)
    梅雨、秋雨の時期に発達し、冷たく湿っており、ここから流れ出る北東風は北日本に冷害をもたらすことがあります。
  3. 揚子江気団(移動性高気圧)
    春、秋に発達し、暖かく乾燥しており、分離して移動してきたものが移動性高気圧です。
  4. 小笠原気団(太平洋高気圧)
    夏に発達し、暖かく湿っており、蒸し暑い夏をもたらすのはこれの影響です。