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春先は南岸低気圧による雪に注意!

12月、1月の岐阜市の積雪は 6年ぶりにゼロ

  今年の冬は、岐阜市ではなかなか雪が降りません。 岐阜市の平年の雪日数は、下表のとおり、12月が3.7日、1月が9.4日です。この冬の12月は5日と、平年並みであったものの、1月は4日と非常に少なく、まだ積雪がありません。最近では、平成20年の冬が今年と同様に、2月に入るまで積雪はゼロで、6年ぶりの記録です。また、関ヶ原町や高山市でも、1月の積雪は例年の半分以下でした。
  一方、県内の気温は12月、1月ともに全般的に低かったことから、今年の冬の特徴は「気温は低いものの、雪はかなり少ない冬」と言えます。

  雪日数(日) 最深積雪(cm) 日平均気温(℃)
  12月 1月 12月 1月 12月 1月
岐阜市 5
(3.7)
4
(9.4)
0
(5)
0
(10)
6.3
(6.9)
2.9
(4.4)
関ヶ原町 22
(14)
6
(29)
4.9
(5.6)
2.9
(2.9)
高山市 19
(26)
20
(43)
0.9
(1.4)
-2.1
(-1.4)
雪日数:雪、みぞれ等が観測された日数
(     ):平年値




春先は南岸低気圧による雪に注意!

  2月4日は立春、暦の上では春。2月19日は、二十四節季の雨水(気温が徐々に高くなり雪が雨に変わる頃)です。岐阜市の日平均気温は、2月初めの4.0℃が終わり頃には6.4℃と、どんどん上昇し、駆け足で春がやってきます。 しかし、美濃地方でも、まだまだ雪が降ることがあります。

濃尾平野で雪が降るパターンは、次の二通りあります。

①西高東低の冬型の気圧配置による場合

日本海側に雪を降らせる雪雲が、強風に乗り、山並みが途切れた関ヶ原付近を通過して、濃尾平野まで流れこみ、雪が降ります。この時、風向が北寄りの場合は西濃地方の南部、また、西寄りの場合は大垣や岐阜方面で、積雪が多くなります。

②日本列島の南岸沿いに進んでくる低気圧(南岸低気圧)による場合

低気圧は、大陸の寒気の強い厳冬期には、日本列島から離れて進みますが、春先にかけては、大陸の寒気が弱まり、南岸沿いを進むようになります。その時、気温が低いと雪になります。しかし、低気圧が日本列島近くを通過したり、発達しすぎると、南からの暖かい気流により、雨になります。東京など関東南部の雪は、ほとんどがこのタイプです


平成20年2月9日
*引用元:(株)ウェザーマップ『気象人』より
 

  上の天気図は、岐阜市で7cm、名古屋市で13cmの積雪があった、平成20年2月9日9時の天気図です。四国沖を低気圧が東に進み、岐阜市では11時頃から雪が降り始め、15時には7cmの積雪を記録しましたが、その後、みぞれから雨に変わりました。
  岐阜県では、南岸低気圧による積雪の事例は比較的少ないものの、昨年の2月18日には、岐阜市で3cmの積雪がありました。

  皆さんご存知の、昭和11年2月26日に起きた「二・二六事件」の3日前にあたる、2月23日には、東京都心で36cmの積雪があり、事件当日も20cmほどの積雪が残っていました。この雪も、南岸低気圧によるものでした。


岐阜市梅林公園にて1月31日撮影

  このように2月になっても、まだ積雪の恐れがあります。立春を過ぎたから、もう雪は積もらないだろうと、油断をしないでください。
  しかし、春はそこまで来ています。岐阜市の梅林公園でも、梅の仲間ではありませんが、梅の花に良く似た「ロウバイ」が咲いています。県内には、安八町の百梅園をはじめ、各地に梅の名所があり、2月中旬になると、いろいろな梅が咲き始めます。
  みなさんも、暖かい春の陽射しの中で、お近くの梅の花見に行かれてはいかがでしょうか。