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今年は平年並みの梅雨入り


5月は全国的に記録的な高温

  5月の本州付近は高気圧におおわれ、全国的に気温はかなり高く、北・東日本では記録的な高温を記録しました。1946年の統計開始以来、5月としては最も高温になり、全国154か所の気象台等のうち、55か所で5月の平均気温が観測史上最高になりました。

 県内でも、5月号で報告したように岐阜市で5月早々に真夏日(気温が30℃以上)を観測、結局5月の真夏日の日数は7日にのぼり、27日の最高気温は33.7℃になり5月の最高気温の記録を更新しました。また、月平均気温も平年を2.3℃上回る21.3℃を観測し、過去最高を更新しました。

 

全国各地の5月の平均気温
気象庁Webサイトより

6月8日東海地方が梅雨入り‐平年並み‐

  日本列島では5月の連休後に沖縄地方が梅雨入りし、6月上旬には九州から関東地方が順に梅雨入りしました。東海地方は平年と同じ6月8日に梅雨入りし、これから約1.5ヶ月の間うっとうしい天候が続きます。

  岐阜で5月の最高気温を記録した5月27日の天気図では、梅雨前線は日本のはるか南にあります。しかし、東海地方が梅雨入りした6月8日には中国大陸南部から九州南部、さらには関東地方の南にかけて梅雨前線がのびており、気象衛星画像でも日本列島の南部を東西に梅雨前線に伴う雲(白く見えるところ)があります。
  今年の梅雨入りは、梅雨前線が北上するという教科書通りの梅雨入りでした。

  梅雨前線は日本の南部から遠くインド洋までつながり、東南アジアの夏のモンスーン(雨季)の一環であり、梅雨前線の活動にはインド洋からの水蒸気の補給も影響しています。
また、前線は南と北の高気圧のせめぎあいにより南北に移動するため、これにより雨の降る地域も変わり、この時期の天気はなかなか予想しにくいようです。





天気図(5月27日)
5月の最高気温更新
天気図(6月8日)
東海地方梅雨入り

 
気象衛星画像(6月8日)



なぜ低気圧や前線付近で雨がふるのでしょうか?

  空気中には、気温が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。
  例えば、30℃では空気1m3当たり最大30.4gの水蒸気を含むことができますが、10℃では9.4gしか含むことができません。気温30℃湿度50%(水蒸気量30g×0.5=15.2g)の空気を10℃まで冷やすと、5.8gの水蒸気が空気中に含むことができずに、凝結して雲のもとでもある水滴ができます。

  低気圧は周囲より気圧が低いため空気が流れ込みますが、流れ込んだ空気は上空にしか行き場所がなく、低気圧内部では上昇気流が発生します。また、前線付近では暖気と寒気がぶつかり合っており、暖かい空気は冷たい空気より軽いため上昇していきます。このように上昇した空気は上空に行くと冷やされ、含みきれなくなった水蒸気が凝結して、雲ができて雨を降らせます。

  梅雨の時期は、東南アジアのモンスーンの影響や日本の南の海水温の上昇により、低気圧や前線上に南からの湿った気流が入りやすく、曇天が続いたり雨が降りやすくなります。

 

岐阜公園北側忠節用水路沿い(撮影6月20日)

  岐阜市内でも、雨によく似合うあじさいの花を、そこかしこで見ます。
  東南アジアの雨期にも似た梅雨は、約40日間にもわたることから、日本の四季の春夏秋冬に5番目の季節として加えてもよいのではないでしょうか。




【一口コラム】
北海道にも梅雨はあるの?

  気象庁では、毎年地方ごとに梅雨入りや梅雨明けを発表していますが、北海道地方での発表はしていません。これは、梅雨前線が北海道付近まで北上することが少ないため、毎年梅雨のような天気が続かないためです。しかし、年によっては、前線が近づき梅雨のような天気が続くことがあり、これを「えぞ梅雨」と呼んでいます。