テイコク

岐阜県 調査・設計・管理・測量・開発のテイコク

WWW を検索 サイト内を検索
google
HOME > がんさんのお天気コラム > 2週連続で台風上陸

2週連続で台風上陸


2週続けて台風上陸   ~10年ぶり~

  10月に入り、2週続けて台風が日本に上陸しました。
  10月6日に台風18号が静岡県に上陸、10月13日には台風19号が九州に上陸し日本列島を縦断、ともに大きな被害がでました。2週続けての上陸は、平成16年の台風21号と22号以来10年ぶりになります。

  なお、二つの台風ともに、岐阜県に暴風・大雨・洪水警報が発表されました。

  県内では暴風警報が発表されたものの、暴風は吹きませんでした。岐阜地方気象台の観測では、最大風速は台風18号が9.2m/s、台風19号が10.2m/sで、暴風警報の発表基準の平均風速17m/sを下回りました。

 お天気コラム8月号で紹介した「のろのろ台風11号」と、台風18号・19号を比較すると下表のとおりです。

  ピーク時  岐阜市の最接近時
  最低
気圧

hPa
最大
風速

m/s
気圧


hPa
最大
風速

m/s

暴風域

km

進行速度

km/h
気象台
での
最大風速
m/s
台風中心
までの
距離
km
注意報
警報
(風)
台風11号 920 55 975 35 100 NNE30  14.7
(26.7)
約 160 強風
注意報
台風18号 935 50 965 35 190 NE 45 9.2
(19.6)
約 120 暴風
警報
台風19号 900 60 985 30 240 ENE55  10.2
(18.4)
約  10 暴風
警報

  台風18号・19号は、中心が東海地方を通過し、暴風域(風速25m/s以上)に入ることが予想されたため、岐阜県に暴風警報が発表されました。一方、台風11号は、中国、近畿地方の通過が予想され、暴風域に入る確率が低いため強風注意報(12m/s以上)の発表になったと思われます。

  岐阜市への最接近時の距離は、台風19号が最も近く(中心付近が通過)、最大風速はほぼ同じ強さ、また暴風域は台風18号と19号が広く、11号の約2倍でした。
  しかし、岐阜市で最大風速が最も強かったのは、台風11号でした。

  では、なぜ岐阜から最も遠くを通過した台風11号の風が最も強かったのでしょうか?



3つの台風の経路

  上の図のように、台風の進行方向から見て岐阜市は、台風11号では右側、台風18号では左側にあたり、台風19号は中心付近を通過しました。




可航半円、危険半円

  台風の風は下の図のように反時計回りに吹いています。台風18号で右側と左側の風速の違いを求めてみます。




台風18号のイメージ図
進行方向の右側の風速は、
台風の進行速度が+され、左側は-される。

  台風の進行速度
   時速45km→秒速12.5m
                      
  暴風域内の
    右側の風速
       25m/s+12.5m/s=37.5m/s
    左側の風速
       25m/s-12.5m/S=12.5m/s


  このように、台風の風速は右側(右半円)で強く、左側(左半円)で弱くなることから、船舶の航行をたとえに、右半円を危険半円、左半円を可航半円と呼びます。なお、台風の速度が速いほど右半円の風速は強くなります。

 台風18号では、岐阜市は台風の左側にあたり、暴風域に入ったものの進行速度が速かったため暴風が吹かなかったと思われます。
  また、台風19号は岐阜市付近を通過しましたが、この頃には台風としての形が崩れ目も不鮮明になり、中心付近では風が弱まっていたようです。一方、台風11号は右側を通過したため進行速度も加わり一番強い風が吹きました。

  台風18号19号とも、岐阜県内では幸い目立った被害もでず、警報が空振りに終わった感はありますが、警報を出さずに大きな被害がでるより良かったと思います。今後もこうした状況があると思います。
  警報がでた場合には十分な警戒をしていただきたいと思います。




台湾の台風情報

  9月18日~21日に台湾に行ってきました。  
  台湾では、稲の二期作が行われており、上空から見る景色は整備された農地に水稲が作付されている緑色と、稲刈り後の茶色が混在し、その間にため池が点在していました。

台湾桃園国際空港(台北の西約30km)上空からの写真
【撮影日 9月18日】

  高雄など南部は熱帯気候、台北など北部は亜熱帯気候に区分され、高温多湿の気候です。また、今回は台風16号(鳳凰:フォンウォン)が接近しており、さらに湿度が高く、じっとしていても汗がでるほど大変蒸し暑い天候でした。

  テレビや新聞では、連日台風情報が報道され、言葉や文字はわからないものの、繁体字(簡略化されていない筆数の多い漢字)のため、内容が想像できました。



テレビの台風情報(9/20 22時)

新聞の台風情報(9/21 朝刊)

  20日夜のテレビの台風情報では、「台風16号(鳳凰)が21日夜には台北付近に到達」と予想され、帰国予定の21日夕方の飛行機が運行されるか大変心配でした。幸いにも台風の速度が遅くなり、予定通りの出発で無事に帰国することができました。

  台湾の天気予報の精度が低いかどうかわかりませんが、「台湾の天気予報はあまり当たらない、心配しなくてもいい」との現地の案内人の言う通りの結果になりました。


【一口コラム】
台風の風の吹き方

  台風が接近してくる場合、進路により風向きの変化が異なります。台風の接近前から通過後までの風の向きの変化は
  ①台風の右側に位置する場合・・・東→南→西と時計回り
  ②台風の左側に位置する場合・・・東→北→西と反時計回り