がんさんのお天気コラムコラム 2019年09月30日

台風の中心位置の決め方

2019 年9 月30 日

相次いで台風が接近・上陸

9月に入り、日本列島には台風が相次いで接近し、9月5日には台風13号が八重山諸島を通過、9日には台風15号が関東地方に上陸しました。さらに、21日から22日にかけて台風17号が沖縄地方から九州の西を通過しました。

台風13号は、中心気圧940hPa最大風速45m/sの非常に強い勢力で宮古島付近を通過し、宮古空港(宮古島市鏡原)で観測史上1位の最大瞬間風速61.2m/sを記録、宮古島市でも観測史上8位にあたる59.6m/sを観測するなど、各地で50m/sを超す暴風が吹き荒れました。幸いにも大きな被害は出ませんでした。

台風15号も、中心気圧960hpa最大風速45m/sの非常に強い勢力で伊豆大島の西から三浦半島、東京湾を通過し、9日5時頃に千葉市付近に上陸しました。台風が西側を通過した千葉県内で観測した最大瞬間風速は、千葉市の57.5m/sをはじめアメダス15地点のうち10地点で記録を更新、ほかにも関東地方の5地点で記録を更新しました。

この暴風により、千葉県内を中心に死者1名、負傷者150名、住宅被害は約8千戸におよび、停電は最大93万戸で発生し、23日時点でも一部地域で停電が続いています。

地上天気図(9月5日15時)

地上天気図(9月9日6時)

気象庁Webサイトより

台風の中心位置の決め方

下の図は、台風が千葉市付近に上陸した頃の9日5時のアメダス(風)と降水ナウキャストです。

アメダス(風)では、千葉市付近を中心に左回りの強風が吹いているのがわかります。また、降水ナウキャストでも、千葉市付近には青色の弱い雨の箇所があり、その周囲を赤色の強い雨のエリアが円形状に取り巻いているのがわかります。

アメダス風(9月9日5時)              降水ナウキャスト(9月9日5時)

気象庁Webサイトより

千葉市では9日未明以降気圧が下がり続け、4時50分には965.5hPaを観測しました。風速は、4時30分に35.1m/s(最大瞬間風速57.5m/s)を観測、4時50分には一時的に17.6m/sまで弱まったものの、また風が強まり8時頃まで暴風が吹きました。

風向は、台風接近前の東~東南東が、通過後には西南西~西へと時計回り(右回り)に変化したことから、台風は千葉市のすぐ西側を通過したと思われます。

台風がアメダスのない太平洋上にある場合は、気象衛星画像をもとに中心位置を推定しています。しかし、日本に接近・上陸した場合は、気象衛星画像のほかに、アメダスによる気圧、風向、風速、さらには降水ナウキャストをもとに推定します。

気象衛星可視画像(9月8日13時)

気象庁Webサイトより

今年は伊勢湾台風から60年

今からちょうど60年前の1959年9月26日に、伊勢湾台風が猛烈な勢力(中心気圧930hPa、最大風速60m/s)で紀伊半島に上陸し、東海地方から富山県を通過し日本海に抜けました。

上陸時の気圧は、観測史上4番目に低い929hPaを記録し、暴風、高潮、大雨により被害は全国32道府県におよび、死者は約5000名、家屋の全半壊は約15万戸を超す大きな災害となりました。

東海地方にとって、すぐ西を通過するコースとなったため、伊勢湾では高潮が発生し、愛知、三重両県で4000名を超す死者が出ました。また、西濃地方を通過したため、岐阜県内では岐阜市の最大瞬間風速が観測史上1位の44.2m/sを記録するなど、暴風、大雨に見舞われ、家屋の倒壊や河川氾濫により、死者は100名を超え、家屋の全半壊は約1万6千戸となる大きな被害が出ました。

横浜国立大学の筆保准教授の研究によると、伊勢湾台風は過去100年間で最強、東海地方にとり暴風、高潮の面では最悪のコースだったとのことです。もし今同じコース、同じ勢力の台風が来れば、東海地方の5~10%の建物で被害が出ると予想されています。

伊勢湾台風を経験した人が減少する中、教訓を忘れず未来につなげ、今後の防災に役立てていきたいものです

地上天気図(1959年9月26日9時)             伊勢湾台風進路図(9月26日~27日)

気象庁Webサイトより

今月の写真

先日、隣の家が取り壊された後の地面に、数羽のアゲハチョウが飛来し地面にとまっていました。アゲハチョウは花の蜜を吸うものと思っていましたが、地面に含まれる水分を吸っているようでした。

地面の水分を吸うアゲハチョウ(9月5日撮影)

一口コラム

最大瞬間風速と最大風速

風は強弱を繰り返して変化し、一定の速さで吹いていないため、風速計では0.25秒間隔の風速(パルス信号)を計測しています。

最大瞬間風速とは、3秒間を平均した風速(計測した12個の平均)、最大風速とは10分間の平均風速の最大値のことです。気象情報などで風速○○mという場合は、10分間の平均風速を表します。

一般的に、最大瞬間風速は、最大風速の1.5~2倍近くになります。

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