気象予報士稲生君の『お天気はウソつかない』コラム 2021年08月17日

河川の水位を知る

2021 年8 月17 日

8月上旬に台風9号が通過した後、日本列島に停滞した前線の影響で九州、中国地方を始めとした西日本で大雨が降り、各地で河川の氾濫や浸水、土砂災害等の被害が発生しました。

岐阜県でも8月13日~15日にかけて大雨が降り、下呂市では飛騨川沿いの国道41号が一部崩落し、美濃加茂市や坂祝町では加茂川・木曽川が越水する浸水被害がありました。

このように、大雨が降ると土砂災害や浸水被害が発生します。そこで、今回は河川の水位について紹介します。テイコクでは河川の流量観測業務を実施しており、雨が降ると河川の水位に注視しております。

河川の水位は一般の人でも、国土交通省や、県のホームページから、知ることができます。

岐阜県 川の防災情報 ホームページ画面

下のグラフの水位は、私の勤務するテイコク芥見ビルに一番近い長良川の芥見観測所の観測データで、降水量は、芥見観測所よりも上流にあるアメダス美濃のデータです。

降水量と水位の推移

芥見観測所とアメダス美濃の位置

13日明け方から雨が降り始め、夕方~夜のはじめ頃にかけてまとまった雨が観測されました。それに伴い、長良川の水位も一気に増加しました。

14日の明け方には雨は一時的に小康状態となり、水位も低下しましたが、昼前~15日未明にかけて再び強い雨が降り続き、この期間中最大の3.98mまで達しました。

13~15日にかけて、美濃では8月1ヶ月間の降水量平年値267.3mmを超える、約330mmの降水量を観測しました。

美濃で強い雨が降った後に、下流の芥見で水位が遅れて上昇する傾向も読み取ることができます。

もし、下流で雨が降っていなくても、上流で雨が降った場合は、水位が上昇するので、河川に行くことがある際は、上流部の天気にも気を付けましょう。

雨が降って、川の様子が心配で様子を見に行きたい、という人もいるかと思いますが、ホームページで水位や、ライブカメラを確認するようにしてください。

お天気豆知識

天気予報の時間細分の用語

時間 用語
0~3時 未明
3~6時 明け方
6~9時
9~12時 昼前
12~15時 昼過ぎ
15~18時 夕方
18~21時 夜のはじめ頃
21~24時 夜遅く

出典

イラスト:いらすとや

データ・用語:国土交通省 川の防災情報岐阜県 川の防災情報気象庁HP

ジオスペースセンター  
空間計測部 稲生秋利


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