-変位計測、落石調査、地盤伸縮観測等監視業務の詳細-測量作業 1.変位計測に至るまでの経緯 本地区は地すべり地区であることが判明していたため、事前計画では、地山に反射シートを設置し、トータルステーションによる座標計測を行うよう準備を進めていた。 5月8日の契約後、地域住民への影響予測のための河川横断などもあり、反射鏡設置は5月11日から実施することとしていた。
しかし、当時は連続降雨であったため、斜面上部からの落石回数も増してきており、反射シートの設置すら出来ず、発注者からも測量立入りが止められた。 そこで、ノンプリズムTSを用いて変位観測を行うことを発注者に提案し、その承諾を得て、5月12日AM5時からモルタル吹付けや法枠の角等の自然目標を設定し、数点の計測を始めた。 当社にとっては、地すべり変位観測は初めての経験であり、また、全国的にもノンプリズムを用いた変位観測は多くない。

地すべり現場
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川幅の3分の2が土砂で埋まる
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2.変位計測に用いたトータルステーション
○国土地理院認定の2級TS
○測距精度:±(3mm+2PPM×D)
○ノンプリズムの公称距離:最大350m |

トータルステーション
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3.変位計測の経過とグラフ化■変位計測 5月12日~5月13日AM8時(大崩落)に至るまでは、崩落前の斜面数点にレザーを照射し、5分毎に水平距離と高低差の計測を行った。
目標点は時間経過とともに、序々に崩落し、次々に新しい目標を定めて計測に挑戦したが、数時間程度で崩落、当初からの変位目標点は全滅した。
5月13日AM7時55分の大崩落以後は、残された地山部分や、崩壊斜面の数箇所を選定し、特に露岩に着目し、白色で目標としやすい部分を新たに選定して計測を開始した。
変位計測は、15分毎に水平距離と高低差を計り、誤差をなくすため、気象補正(温度・気圧)も行っている。
観測は、24時間体制で実施している。 |

夜間作業の様子 |
■変位データのグラフ化と関係機関への配信 変位観測値は、1時間毎(4回観測の平均)に、パソコンに入力、水平変位量、高さ変位量、合成ベクトル計算を行い、グラフ化している。
これらのデータは、携帯電話のデータ通信を使用して即座に、揖斐土木事務所、県庁、国土交通省(本省、中部地方整備局)等の関連機関へ配信している。
4.落石回数調査 地すべりにおいては、その兆候として亀裂が生じたり、落石回数が増えたりする。そのため、安全工事に向けた監視と同時に、落石回数の調査も行っている。 この調査は、地すべり斜面の直下で行っている工事関係者の安全確保にも直接つながる調査である。
監視者には、ノンプリズム変位データや、地盤伸縮計データ及び落石回数データを頭に入れながら崩壊斜面の変状確認を行い、建設関係者への避難通報(警報サイレン)を行うなど重要な役割を担っている。 地質作業1. 地盤伸縮計常時観測システムの設置経緯と現況 新たな地山崩壊につながるような滑落面背後地盤の挙動を監視するため、4測線に計12基の地盤伸縮計を設置。
観測データのインターネット配信による常時監視と、許容以上の急激な地盤挙動に対して警報を発するため、集中管理システムを構築した。 10分間隔で自動計測された観測データは、即座に集計され、各関係機関が常時閲覧できるように、地盤伸縮変動図や各種帳票形式で、現地観測所に設置されたWEBサーバーからデータ配信している。

伸縮計設置状況 |

計器配置図 |
2.ボーリング調査とヒズミ計測 崩壊地山の地質状況の把握と、滑落面背後地盤の挙動監視を目的としたヒズミ計測のため、深度 40m~50mのボーリング調査を計3箇所で実施した。 掘削後のボーリング孔にはパイプヒズミ計を設置し、手動による定期観測を継続している。 |