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台風18号で特別警報発表


台風18号で特別警報発表

  9月28日に発生した台風18号は、沖縄の南西海上で猛烈な勢力になり、10月3日18時には中心気圧905hPa、最大風速60m/s、最大瞬間風速85m/sと最も発達しました。
  下のレーダーナウキャストでは、台風の眼は明瞭で暴風半径は小さく、発達した雲域が同心円状に見られます。このため、気象庁は3日19時に沖縄本島地方に大雨・暴風・波浪・高潮特別警報を発表しました。

  台風接近に伴い、久米島では急激に風が強まり、4日0時に最大瞬間風速59.7m/sを観測しました。


地上天気図(10月3日18時)


レーダーナウキャスト(10月3日20時55分)
気象庁Webサイトより

  気象庁では、平成25年8月30日から特別警報の発表を行っています。大雨、暴風、地震、津波、高潮などにより重大な災害の起こるおそれがある時に、警報を発表して警戒を呼びかけますが、警報の発表基準をはるかに超える大雨、暴風他が予想され、極めて重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に、特別警報を発表し最大級の警戒を呼びかけます。

  特別警報が発表された場合、数十年に一度の今までに経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況にあり、ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、適切な行動を取る必要があります。
このうち、気象に対する特別警報は次のとおりです。

気象に対する特別警報の基準


  台風に関する特別警報の指標(数十年に一度の強度)は、伊勢湾台風級の中心気圧930hPaまたは最大風速50m/s以上の台風の襲来が予想される場合です。ただし、沖縄地方では910hPa、60m/s以上となっています。
また、雨に関する特別警報の指標(数十年に一度の降雨量)は、48時間雨量または3時間雨量及び土壌雨量指数が、50年に一度の数値以上になった箇所が、ある一定のエリアで出現することが予想される場合です。

  今回の台風18号は、この指標を越えて沖縄本島地方を直撃することが予想されたため、特別警報が出されました。久米島で最大瞬間風速59.7m/sを観測したものの、厳重な警戒態勢が取られたため幸い大きな被害は発生しませんでした。

  大雨特別警報の指標となる数値は各地域で異なりますが、岐阜県内の主な市の数値は下表のとおりです。岐阜市の48時間雨量381mmは、長良川が安八町で決壊し大きな災害が発生した1976年9月8~9日の420mmに相当します。なお、この災害から今年はちょうど40年にあたります。

大雨特別警報等の指標
    岐阜市 大垣市 多治見市 高山市
大雨特別警報 48時間雨量
(mm)
381 526 405 379
3時間雨量
(mm)
167 185 167 114
大雨警報 1時間雨量
(mm)
70 60~70 90~100 70~80
大雨注意報 1時間雨量
(mm)
30 40 50~60 40~50


10月8日は寒露、24日は霜降

  本コラム42号で報告したように、8月以降、岐阜の気温は平年に比べて高めで推移していましたが、ようやく10月中旬には一時的であるものの平年並みになり、少し秋めいてきました。


  高山市荘川町六厩むまやの最低気温は、10月14日から3日連続で氷点下になり、15日には-1.9℃を観測しました。飛騨地方ではすでに暖房器具が使われ、標高の高いところでは紅葉も進み、まもなく初雪の便りが届きます。

  10月8日は二十四節気の寒露、24日は霜降です。
「寒露」とは、草花に冷たい露が宿るという意味で、秋の長雨が終わり秋も深まり始める頃です。また「霜降」とは、霜が降りるという意味で、この頃になると秋も一層深まり日本列島は北から徐々に紅葉が始まります。

  霜は、大気中に含まれている水蒸気が気温の低下により氷の結晶となり、地面や植物などの表面に付着したものです。気象台が観測する気温は、地表面から1.5mの高さで観測されたものです。地表面の温度は放射冷却によって冷やされ、気象台が観測する気温より低くなります。一般的に気温が3℃を下回ると、地表面の温度が0℃以下になり、霜ができることが多いようです。

  平年の最低気温が3℃を下回るのは、岐阜が12月13日、揖斐川が12月8日、美濃では12月4日であり、美濃地方での「霜降」は二十四節気よりひと月遅い時期のようです。



秋晴れの中での稲刈り(撮影日10月19日)

  岐阜県の推奨米に「ハツシモ」があります。その名前は、霜が降り始めるころに収穫が始まることから名付けられ、岐阜県平野部の気候風土に適した品種として栽培が拡大しました。「ハツシモ」は、岐阜県内ではもっとも多く作付される品種ですが、他県ではほとんど生産されておらず、「幻(まぼろし)の米」とも評されています。

  この時期は、おいしい新米が収穫され、まさに「食欲の秋」真っ盛りです。


【一口コラム】
気象以外の特別警報

津波、火山、地震に対するものがあります。

津波:高さ3m以上の津波が予想される場合(大津波警報)
火山:居住地域に重大な被害を及ぼすような噴火が予想される場合
地震:震度6弱以上の地震の発生が予想される場合

  なお、特別警報の発表の際には、ただちに安全な場所への避難や身の安全を確保する行動をとるように呼びかけられます。