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大雨を降らした二つの台風


  東海地方の梅雨明けは、平年と同じ7月21日でした(7月号の予想が外れました)。
  岐阜市では、梅雨明け後は「梅雨明け十日」の言葉通り晴天が続き、連日30℃を越え、猛暑日も4日ありました。しかし、8月にはいると台風12号、11号の影響により曇雨天が続き、特に9~10日は大雨が降り、9日の最高気温は23.5℃と10月中旬並みの気温でした。

中心付近の風が弱かった台風12号

  一般的に、台風の目(雲がない所)の大きさは100㎞以下ですが、台風12号は気象衛星画像で見ると渦巻き状をしているものの、中心付近では雲がまばらなため、目が不鮮明で中心付近より外側の方が風が強いという珍しい台風でした。

  台風情報では「中心付近の最大風速」が発表されますが、この台風は一時期中心付近という言葉がなく単に「最大風速」として発表されたことがありました。 なお、7月31日の時点で台風の外側の雲が九州や四国にかかり、このあと高知県では1000㎜を超す大雨になりました。



気象衛星画像(7月31日12時)
赤丸は台風の中心
デジタル台風Webサイトより


のろのろ台風11号

  台風11号は7月29日にグアム島付近で発生し、12日後の8月10日6時に高知県に上陸、その後日本海へ抜け、8月11日には北海道西部の日本海で温帯低気圧に変わりました。寿命は12.8日と、一般的な台風の5.3日に比べ長寿でした。また、その平均速度は自転車並みの時速17kmと、のろのろ台風でした。このため、全国的に長時間にわたり大雨を降らせました。

  高知県では、まだ台風が高知の南約500km 付近にあった8月8日から、台風からの湿った気流により雨が降り始め、10日までに多い所では1,000mm を越え、台風12号と合わせると2,300mm 以上の大雨になりました。
  また、三重県でも同様に500mmを越す雨が降り、甚大な災害が予想されたため、大雨特別警報を発表し、56万人以上に避難指示が出されました。


天気図及び気象衛星画像(8月10日12時)
台風の中心は兵庫県
中心気圧975hPa、中心付近の最大風速30m/s

  一方、岐阜県でも8月10日12時頃から激しい雨になり、6時間で本巣市樽見で200mm以上(総雨量356mm)、関市板取や郡上市長滝でも約150mm(総雨量約260mm)の大雨になりました。
  このため、長良川の水位も上昇し美濃市、関市さらには岐阜市芥見などで避難勧告や避難準備情報が発表されました。
  岐阜市の長良川河畔の右岸道路(右岸旅館街周辺)も数年ぶりに冠水しました。


右岸から長良橋を望む
 

長良橋上流右岸道路(旅館に流入)


8月10日20時頃撮影
 

  台風通過後は、天気がぐずつき朝晩の暑さもやわらいでいます。このためか岐阜市内ではセミの声が少なくなり、かわって夜になるとコオロギの鳴き声が多く聞こえるようになりました。
  まだまだ暑い日は続きますが、それでも季節はゆっくり秋に向かっているようです。


我が家の塀で羽化したアブラゼミ
(8月5日23時30分撮影)


【一口コラム】
雨の強さの表し方

  気象庁では、天気予報で用いる雨の降り方を次の8段階に分類しています。
 小雨:1mm/hr未満 弱い雨:1~5mm/hr未満
 雨:5~10mm/hr未満 やや強い雨:10~20mm/hr未満
 強い雨:20~30mm/hr未満 激しい雨:30~50mm/hr未満
 非常に激しい雨:50~80mm/hr未満 猛烈な雨:80mm/hr以上

 

   岐阜県では、おおむね30~40 mm/hr以上の雨が予想されると、大雨注意報が発表されます。