2017年8月3日

ゲリラ豪雨を捉える

2度目の投稿となります。

ついに梅雨が明けて本格的な夏の到来です!

しかしながら、毎日のように全国でゲリラ豪雨が発生しております。

7月上旬、九州北部で記録的な大雨があり、甚大な被害をもたらしました。
(この大雨については、がんさんのお天気コラムNo.52にて書かれています)

いつ、どこでこのような大雨が降ってもおかしくありません。テイコクのある岐阜県も例外ではありませんでした。

7月12日、突然空が暗くなり、激しい雨と雷が岐阜市を襲いました。(図1)

幸いなことに、この雨では大きな災害が発生しませんでしたが、いつどこで起きてもおかしくないことを思い知らされました。

図1 雨の様子
(撮影:2017年7月12日、テイコク芥見ビルより撮影)

その雨をもたらす雲、雨雲を可視化したのが、天気予報で見ることがある「雨雲レーダー」です。

気象庁では、3種類のレーダー情報を発表しています。それらを紹介します。[1]

①解析雨量

全国の設置されているレーダーと地上の雨量計のデータを組み合わせて1kmメッシュごとに作成し、30分毎に更新されます。

このデータを用いて、6時間後までの降水量分布を予測するのが「降水短時間予報」です。 降水の強弱の効果も予測しています。

長所:長時間先の降水を把握することができる

短所:局地的な降水は捉えにくい、予報時間が先になるほど精度低下

②降水ナウキャスト

解析雨量の時と手法はほぼ同じです。降水域の移動がその先も変化しないと仮定して、降水の分布の移動を予測します。1kmメッシュで5分ごとに更新し、60分先まで予測します。

ナウキャストには、雷ナウキャスト、竜巻ナウキャストもあり、これらも合わせて確認すると良いです。

長所:5分ごとに更新されるので、最新の状態がわかる。短時間の予測を見ることができる。

短所:1km四方なので、細かい雨雲を捉えられないこともある。

③高解像度降水ナウキャスト

図4 高解像度降水ナウキャスト
気象庁 | 高解像度降水ナウキャスト

気象ドップラーレーダーと雨量計データ、高層観測データ、国交省のXバンドレーダー(後述)を利用して250mメッシュで30分後まで予報します。

長所:細かく捉えられるため、より詳しく雨量が表現できる。

短所:長時間の予想は発表されていない。

また、気象庁とは別に、国土交通省サイトでもレーダーデータを公開しています。[2]

④X RAIN

図5 X RAIN GIS版(国交省)

Xバンドレーダーは、国土交通省が設置したXバンドMPレーダーを利用しています。 250mメッシュで1分毎に更新をしています。地図上に表示されるので、降水の細かい位置まで把握することができます。

長所:ほぼリアルタイムに雨の分布がわかる、急激な発達を捉えられる。

短所:強い雨が降っていると、その後方のエリアの観測ができなくなることがある。

レーダーデータに頼るのもいいですが、黒い雲、雷鳴、稲光、気温低下、風が吹いてきた、等の現象が現れたら室内へ避難するのが最善です。

イチゴ味のかき氷を食べたり、ココナツジュースを飲んだり、勝負浴衣着て盆踊りしたりと、夏は楽しいことばかりですが、これらの情報を駆使して突然の雨に備えましょう!

長いようで短いサマータイムをぜひ満喫してください!

ジオスペースセンター 応用計測部

(気象予報士) 稲生 秋利

参考URL

[1]気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/menu/menuknowledge.html

[2]国土交通省サイト XRAIN GIS版 http://www.river.go.jp/kawabou/ipTopGaikyo.do

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